実は中学生の頃、親に無理を言って天体望遠鏡を買って貰い、天気が良い日は良くスカイウォッチするような天文少年でした。
そんな事もあり、もう何年も前から星景ポートレートを撮りたいと思っていました。しかし、特殊な撮影方法、深夜に撮影に付き合ってくれるモデルさんを見つける事、撮影場所、撮影時刻、天候など、ポートレート撮影の中でもかなり実現が難しい撮影だとは思っていましたが、2021年の春に初めて撮影をする事が出来ました。
撮影に当たり、星景写真をメインに撮影されている方や、星景ポートレートを撮影されている方の youtube やブログ、書籍などを何度も見返し予習した事も有り、初めてにしては自分なりに上手く撮影出来たと思います。
もちろん、今後は更に上を目指したいと思っていますが、昨年の撮影方法について色々な方から質問をいただくこともあり、自分自身の忘備録も兼ねてブログに書きたいと思います。
撮影に向きのカメラとレンズ
まずはカメラです。ノイズ耐性を考えるとフルサイズセンサーを搭載したカメラがベストの選択となります。一時期は高感度機の Sony α7SⅢ の購入を検討しましたが、ISO感度が1600-3200の場合、ノイズの出方はそれほど変わらないというレビューを見かけたため、所有している Sony α7Ⅲ を使用して撮影しました。
次にレンズです。正直、これは悩みました。風景を入れずに、天の川だけを撮影するのであれば、焦点距離は24mmのレンズでも問題なく撮影出来ると思います。
風景も天の川も、モデルも全部構図に入れたいので超広角レンズ、出来れば12mmが欲しい! しかし、色々な方のレビューを見ると、露光時間、ISO感度などの問題で、ほとんどの方が 最低でもf2.8以上の明るいレンズ を推奨しています。
恐らく、条件に当てはまるFEマウントのレンズでベストと言えば、f2.8通しのズームレンズ SEL1224GM になると思います。現在は実売30万円を切っている通販サイトも多いので多少は買いやすくはなっていますが、でも、購入を考えていた時期は軽く30万円を超えていたので、正直手が出ませんでした。かと言って、広角側の1mmは非常に大きいので、14mmや16mmに妥協したくありませんでした。
結局、かなり悩んだあげく、f4通しのズームレンズ SEL1224Gを購入しました。理由は明るいレンズを使ったとしても、周辺のコマ収差を軽減したり、モデルと星のピントを両立するには多少絞る必要があるため、画質の差は無視すれば高価なf2.8との差は僅かです。
それでも、露光時間は不利になるのは間違いない為、そこは赤道儀で長時間露光することでカバーします。ただでさえ、機材が多い撮影なのに、さらに赤道儀まで準備するのはかなり面倒ですが、お金がない分、苦労でカバーするしかありません(汗)
でも、結果的には星も完璧に止まって写っていますし、これが正解だったと思います。もちろん、お金に余裕のある方は、 SEL1224GM をオススメしますが・・・(笑)
カメラとレンズ以外に準備したい機材
カメラとレンズ以外に準備したい機材を紹介したいと思います。
あれば便利と言うよりも個人的には必須に近い機材です。星景ポートレートは星や月の位置、モデルさんの負担を考えて、できるだけ短時間で撮影する必要があります。その短い撮影時間をよりスムーズにするためにも、事前に準備することで未然に防げるトラブルはなくしたいですよね。
まずは、1つ目は L-ブラケットです。~ 機材編(赤道儀)~ で説明しますが、カメラの構図を変えたり、縦構図と横構図を変えれるようにアルカスイス互換の自由雲台に取り付けます。最近は、動画用に色々なケージが販売されていますが、必ず縦方向もアルカスイス互換になっているブラケットが必要です。
もちろん、ブラケット無しで、自由雲台を調整する事で縦構図にする事は可能ですが、真っ暗闇の中の調整作業となる事や、赤道儀の重量バランスが変わってしまうので、正直オススメできません。
もう1つは、レンズヒーターです。
撮影場所は光害が少ない高い山になる事が多い為、夏でも気温が下がります。レンズの曇りは大敵なので、予防も兼ねて準備しておくのがベストだと思います。
この製品は温度を3段階調節可能で、一番暑くすると缶コーヒーなどの保温にも十分使えるのでオススメできます。
レンズヒーターには、モバイルバッテーリーが付属していないため、別途購入する必要があります。リチウムイオン電池には発煙発火などの事故の危険性があるため、安物のノーブランド品は避けたいですよね。
自分はバッテリー関係は少々高くても、出来るだけ 純正品、もしくは国産メーカーの製品を使用するようにしています。
使用した機材は、まだまだたくさんありますので、次の ~ 機材編(三脚や赤道儀)~ で紹介したいと思います。