星景ポートレートの撮り方④ ~ 準備編 ~

カメラ

前回、次は撮影編という事を書かせていただきましたが、その前に準備することが色々あるのを忘れていたため、準備編を追加させてください。

撮影場所探し

まずは、撮影場所探しです。私は福岡に住んでいますが、福岡県は2021年12月3日現在で、人口5,135,214 と全国の都道府県で9位、もちろん九州で一番人口が多い県です。

つまり、県内は光害の影響をモロに受けて微弱な光を放つ天の川を撮影できる場所は中々ありません。しかも、そのごく一部の限られた場所が絶景かと言われると、多くは山間部だったり、県内でありながら車で行くのも時間がかかる場所だったりします。

と言うことで、必然的に撮影場所は県外で探すことになるため、グーグル先生SNSに頼る事になりますし、星を撮影する知り合いのカメラマンさんから生の情報を聞くことになります。

以下の方のブログは、私も良く参考にさせていただいています。

九州で星空がきれいなスポットを厳選

カメラと星景写真日々

また、星空が綺麗な場所をネットで探すことが出来る光害マップも良く利用しています。

日本付近の光害マップ

方角別光害マップ

しかし、私は星空だけを撮影するわけではなく、あくまでも主役はポートレートのため、先ほどの条件以外にも色々と考慮する必要があります。

  • モデルや機材を設置可能なスペースがあるか?
  • 足場や傾斜角度など、危険な場所では無いか?
  • 駐車場から遠くないか?(ドレスを着たモデルが歩ける距離か?)
  • 付近にトイレはあるか?
  • 安全のため、周りに人はいるか?
  • 周りに星景撮影をしている方が多く無いか?(ストロボを使って迷惑にならないか?)

さすがにこれらの条件を加えるとなると、正直、選択肢はかなり限られてきます。

Google Mapの衛星写真を確認した後、ある程度撮影場所を絞り込んでいきますが、最終的にはロケハンに行くことになります。

ロケハンでは、実際に機材をセッティングして撮影出来る場所をしっかり確認し、スマートフォンの無料アプリで天の川の方角を確認します。

私が良く使っているアプリは SkyPortal です。詳しい使い方は説明しませんが、アプリ起動後にCompassをタップすると、スマートフォンを向けた方角の天の川を確認する事ができるため、建築物などがある場合、天の川が建物の影に隠れていないかなどの確認をすることができるので、利用されてはいかがでしょうか。

Celestron Sky Portal

撮影日時のスケジューリング

天の川のベストシーズンは、一般的に4月から10月頃と言われています。しかも、天の川の光は非常に弱いため、月明かりが無い時間帯になります。

新月の前後数日間は余り問題ありませんが、それ以外の日の場合、事前に月が昇る時間や逆に沈む時間を確認する必要があります。私は自宅のPCでスケジューリングする事が多いため、以下のWebサイトやWindows のフリーソフトを利用させていただいています。

特に Stella Theater Lite は、任意の地点、日時、方角を設定できるため、撮影日時の星空や月の位置を正確にシミュレーションすることが出来ます。

月齢カレンダー

Stella Theater Lite

以下の画像は、Stella Theater Lite で 2021年5月23日に撮影した時の空の状況です。

実際、撮影場所に到着した午前0:00は、まだ月が高い位置にあり、撮影出来る状態では無かったため、少し休憩した後に機材のセッティングをすることにしました。

午前0:00

この日は午前2:45に月が沈むことがわかっていたため、午前2:30からテスト撮影を開始しました。実際に撮影した写真も月灯りの影響で空が少し明るいため、この時間の写真は全てボツにしています。

午前2:45

午前4:00になると少し空も明るくなります。少し見づらいですが、撮影した画像をファインダーで確認して手ごたえは感じていたので、もうこの時間は撤収作業をしていました。

午前4:00

撮影機材以外に準備したい物

撮影機材以外に必要と思われる物をまとめてみました。

真っ暗闇を歩くため、LEDヘッドランプは必ず必要なアイテムですね。撮影機材も多いので、手持ちよりも頭に取り付け出来るものがベストです。出来れば、暗闇でも目に刺激の少ない赤色LEDが使用できるものがオススメです。

ヘッドライト ledヘッドライト 高輝度 LED ヘッドランプ 2個セット

撮影機材を全て手持ちで持ち運ぶのはまず不可能です。駐車場から撮影場所が近ければ手持ちでピストン輸送も可能ですが、なかなかそう言った場所が少ないと思います。

撮影場所まで斜面や階段があれば難しいとは思いますが、私は腰痛持ちのため無理をせずにキャリーカート(運動会やキャンプで良くみかけるヤツです)を使っています。

折りたたむと車のトランクルームにも楽に入るのと、広げるとカメラバッグに三脚、ライトスタンド3本、赤道儀にリフレクターなど、全ての荷物を詰め込めます。

最後にもう一つ。モデルさんが着替えるためのテントもあった方が良いですね。普通の洋服なら車の中で着替える事も出来ますが、ドレスはさすがに厳しいです。

もちろん、冬山で寝泊まりできるような本格的な物は必要ないので、安い物でも十分です。ただし、深夜の設置したり撤収することを考えてワンタッチテントがベストです。余りにも安物だと可動部分が直ぐに壊れてゴミになる可能性もあるので、商品レビューをしっかり見てコスパの良い物を購入してください。

スマートフォン用アプリ

最後に絶対忘れてはいけない物としてワイヤレスで撮影可能なスマートフォン用アプリ。私はカメラはSony、スマートデバイスはiPhone と iPadのため、Imaging Edge Mobile を使っています。

たまにカメラと上手く接続できなかったり、切れたりと不安定な時もありますが、カメラに触れることなく各種設定や撮影、撮影した画像のチェックなどを行うことが出来ます。

ちなみに、私はiPad(7世代と少し古め・・・)をこの耐衝撃のケースに入れて、付属のショルダーストラップで首からぶら下げて撮影しています。

こんな人はいないとは思いますが、アプリのインストールとカメラとの接続テストは撮影現場ではなく、必ず事前に済ませておいてくださいね 笑

次回はとうとう最後の ~ 撮影編 ~ となります。

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